私たちの思い・診療科目など

特定検診が始まり、
- メタボリックシンドローム
- 生活習慣病
は、その予備軍まで含めると、大多数の人が指摘されてしまうかもしれませんね。
参考:厚生労働省循環器病研究振興財団
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)をご存じですか?
メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満を共通の要因として高血糖、脂質異常、高血圧が引き起こされる状態で、それぞれが重複した場合は命にかかわる病気を招くこともあります。ただし、食べ過ぎや運動不足など、悪い生活習慣の積み重ねが原因となって起こるため、生活習慣の改善によって、予防・改善できます。
さあ、あなたも今日から生活習慣の改善を始め、メタボリックシンドロームを予防しましょう。
メタボリックシンドロームってなに?
糖尿病などの生活習慣病は、それぞれの病気が別々に進行するのではなく、おなかのまわりの内臓に脂肪が蓄積した内臓脂肪型肥満が大きくかかわるものであることがわかってきました。

内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態を、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といいます。
内臓脂肪が過剰にたまっていると、糖尿病や高血圧症、高脂血症といった生活習慣病を併発しやすくなってしまうのです。しかも、「血糖値がちょっと高め」「血圧がちょっと高め」といった、まだ病気とは診断されない予備群でも、併発することで、動脈硬化が急速に進行します。
メタボリックシンドロームはどうして危険なの?

日本人の三大死因は、がん、心臓病、脳卒中ですが、そのうち心臓病と脳卒中は、動脈硬化が要因となる病気です。メタボリックシンドロームになると、糖尿病、高血圧症、高脂血症の一歩手前の段階でも、これらが内臓脂肪型肥満をベースに複数重なることによって、動脈硬化を進行させ、ひいては心臓病や脳卒中といった命にかかわる病気を急速に招きます。
メタボリックシンドロームによって引き起こされる病気の発症の危険性は、危険因子の数と大きくかかわっており、危険因子の数が多くなるほど危険度は高まります。例えば心臓病の場合、危険因子がない人の危険度を1とすると、危険因子を1つもっている場合は5.1倍、2つもっている場合は5.8倍、3~4個もっている場合では危険度は急激に上昇し、なんと35.8倍にもなります。
メタボリックシンドロームの診断基準となる4つの項目の数値をチェックしましょう。
- 腹囲(へそ周り)
-
- 男性 85cm以上
- 女性 90cm以上
- 脂質異常
-
- 中性脂肪 150mg/dL以上
- HDLコレステロール 40mg/dL未満
- のいずれかまたは両方
- 高血圧
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- 最高(収縮期)血圧 130mmHg以上
- 最低(拡張期)血圧 85mmHg以上
- のいずれかまたは両方
- 高血糖
-
- 空腹時血糖値 110mg/dL以上
内臓脂肪はどうしたら減らせるの?

内臓脂肪は皮下脂肪と比べて、たまりやすく減りやすいという特徴があります。メタボリックシンドロームのベースとなっている内臓脂肪は、ためる原因となっている食べ過ぎや運動不足などの不健康な生活習慣を改善することで減らせます。今日から内臓脂肪をためない生活習慣を心掛けましょう。
あなたの生活習慣をチェックしよう!
20歳のときの体重から10kg以上増加している。 | ![]() |
1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施していない。 | ![]() |
日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していない。 | ![]() |
日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していない。 | ![]() |
同世代の同性と比較して歩く速度が遅い。 | ![]() |
この1年間で体重の増減が±3kg以上あった。 | ![]() |
早食い・ドカ食い・ながら食いが多い。 | ![]() |
就寝前の2時間以内に夕食をとることが週に3回以上ある。 | ![]() |
夜食や間食が多い。 | ![]() |
朝食を抜くことが多い。 | ![]() |
ほぼ毎日アルコール飲料を飲む。 | ![]() |
現在、たばこを習慣的に吸っている。 (※「現在、習慣的に喫煙している者」とは、「これまで合計100本以上、または6カ月以上吸っている者」であり、最近1カ月間も毎日、またはときどき吸っている者) |
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睡眠で休養が得られていない。 | ![]() |
「はい」と答えた項目が多いほど、メタボリックシンドロームになりやすい生活習慣を送っています。
1に運動 運動習慣を徹底しよう

内臓脂肪を減らすためには、日頃から体を動かす習慣を身につけておくことが大切です。活発な身体活動を行うと、消費エネルギーが増えたり、身体機能が活性化したりすることにより、血糖や脂質がたくさん消費されるようになり、内臓脂肪が減少しやすくなります。その結果、血糖値や脂質異常、高血圧が改善されて生
活習慣病の予防につながります。
また、運動によって消費エネルギーが増加し、体力が向上すると、生活習慣病にかかりにくくなります。さらに、転びにくくなるなどの効果や、転倒によって骨折し、介護が必要となることを防ぐ効果もあります。
2に食事 食生活を改善しよう

食べ過ぎや欠食などの乱れた食生活は、内臓脂肪をためる原因になります。これを防ぐためには、食生活の改善が欠かせません。バランスのとれた適切な量の食事を心掛けるとともに、食事をする時間や食べ方などにも注意し、1日3食規則正しく食べましょう。
バランスの良い食生活を実践するための目安として「食事バランスガイド」が示されています。
しっかり禁煙 禁煙を実行しよう

「百害あって一利なし」といわれるたばこは、多くの有害物質を含み、健康にさまざまな悪影響をおよぼします。喫煙は、がんにかかりやすくするだけでなく、動脈硬化を進行させ、脳卒中や虚血性心疾患のリスクも高めます。
メタボリックシンドロームの予防には、禁煙を実行しましょう。禁煙には、本人の努力だけでなく、まわりの人のサポートも大切です。
たばこの害は、肺がんをはじめとして、咽頭がん、食道がん、胃がんなど多くのがんや、脳卒中、虚血性心疾患、歯周病、さらには生まれてくる子供への影響など、数え上げればきりがないほどです。たばこの害は、吸う人はもちろん、吸わない人にもおよびます。
たばこが健康に悪いと思っていながらもやめられないのは、たばこはニコチン依存と心理的依存の2種類の依存を生むからです。ニコチン依存は、たばこ煙に含まれているニコチンという依存性薬物への依存です。心理的依存は、たばこを吸うことが日常生活の中に組み込まれ、習慣化した状態の依存です。
最後にクスリ クスリによるコントロールは適切に

すでに、糖尿病や高血圧症、高脂血症になっている場合には、生活習慣の改善に加えて、薬によるコントロールが必要なこともあります。治療で必要な薬は医師と相談の上で適切に使用しましょう。「薬を飲めば安心」ではなく、生活習慣の改善をあわせて行うことが大切です。
現在、薬を使用している人で、症状が出なくなったり、検査値が良くなってきた場合や、薬が合わないと感じた場合なども、勝手に薬の使用を中止してはいけません。必ず医師と相談しましょう。また、おくすり手帳で自分が飲んでいる薬がわかるように管理しましょう。
日本人の三大死因は、がん、心臓病、脳卒中ですが、そのうち心臓病と脳卒中は、動脈硬化が要因となる病気です。メタボリックシンドロームになると、糖尿病、高血圧症、高脂血症の一歩手前の段階でも、これらが内臓脂肪型肥満をベースに複数重なることによって、動脈硬化を進行させ、ひいては心臓病や脳卒中といった命にかかわる病気を急速に招きます。
メタボリックシンドロームによって引き起こされる病気の発症の危険性は、危険因子の数と大きくかかわっており、危険因子の数が多くなるほど危険度は高まります。例えば心臓病の場合、危険因子がない人の危険度を1とすると、危険因子を1つもっている場合は5.1倍、2つもっている場合は5.8倍、3~4個もっている場合では危険度は急激に上昇し、なんと35.8倍にもなります。
動脈硬化による疾患・病気について紹介していこうと思います。
動脈の閉塞によるものと、破裂による出血があります。
頭 :脳梗塞、脳出血、脳卒中
心臓:心筋梗塞、狭心症、虚血性心疾患
腎臓:腎梗塞、糖尿病性腎不全
四肢:閉塞性動脈硬化症、急性四肢虚血、急性動脈閉塞
大動脈:胸部大動脈瘤、胸腹部大動脈瘤、腹部大動脈瘤
急性大動脈解離
など、動脈硬化による疾患は、いったん症状が出現すると急激に悪化したり、生命の危機になることがあります。
現在、無症状であっても、生活習慣病(高血圧症、高脂血症、高コレステロール血症、高尿酸血症、糖尿病)、メタボリックシンドローム、メタボ検診で予備軍と診断された場合は、早め早めに予防していきましょう。
10年後、20年後の生活に響いてくると考えられます。